●高野山森林鉄道ー花坂線と大門支線

 高野山の森林鉄道は1905(明38)年から建設が始まり、約15年で九度山から南下して細川で東に折れて高野山39林班まで達する東廻り幹線、細川から分岐して40林班の内子谷川に達する西廻り幹線である花坂線とそれらに付随する支線からなっている。花坂線は1929~32年に、細川土場の手前から分岐して矢立峠を越えて高野山の南側まで開設された全長は12.2キロで高低差500m近くを稼ぎながら高野山へたどり着いている。花坂線から分岐した2つの支線があり、途中に比較的長い隧道が2つあることでも知られている。林鉄最後の1959年まで稼働していた。  
 黄緑は花坂線
黄緑は花坂線 
参考資料「九度山町高野山森林鉄道発達史」「いんちみち」(今昔マップより作成)(写真は2021年)
 
2021.5.8 紀伊細川駅から見える住宅地が細川土場跡である。前の道が林鉄幹線である。 2021.5.8 細川土場から続く道を左折して不動谷川を渡る。変電所の横を通るこの道が花坂に至る生活道をである。花坂線の軌道は写真の少し左側で不動川を渡り、変電所を過ぎた付近で生活道と合流する。
   
2021.5.15 細川土場に向かう幹線(赤の矢印)から右に花坂線(青の矢印)が分岐していた。  2021.5.8 花坂線の石組みの橋脚跡
   
2021.5.8 不動谷川の両岸に橋台が残っており、矢印付近に橋がかけられていた。 2021.5.8 対岸に残る橋台 
   
2021.5.8 橋台跡 2021.5.8 切通しが残る軌道跡 
   
2021.5.8 軌道は左側に伸びていった。右手の道は変電所から続く生活道。 2021.5.8 軌道は山間の道を進む。 
 
2021.5.8 橋梁跡 2021.5.8 橋梁跡
 
2021.5.8 ここで生活道と合流する。 2021.5.8 橋梁跡 
   
2021.5.8 軌道はまっすぐに進む。  2021.5.8 車もほとんど通らない。
 
2021.5.8 細川側を見たもの  2021.5.8 花坂隧道 廃線後は生活道路として利用されていたが、崩壊により2006年より通行止めになっている。
   
2021.5.8 矢立峠を越えるために花坂隧道が掘られた。(細川側)
全長430m 幅2.75m
2021.5.8 隧道の手前で合流する生活道を登り矢立峠を越える。矢立峠は橋本から花坂に向かう国道370号と高野山へ向かう国道480号が交わる。
 
2021.5.8 交差点をまっすぐに細い道を降りてしばらく進むと左手に花坂隧道の出口が見える。  2021.5.8 湧水が多く、コンクリートの補修がされている。 
   
2021.5.8 花坂隧道を抜けるともうひとつ隧道がある。全長15m 2021.5.8 花坂側から見ると向こうに花坂隧道が見える
   
2021.5.8 隧道を抜けると軌道はまっすぐに伸びている。 2021.5.8 軌道は左の鳴子川林道へ伸びる。右に進むと国道370号に出る。
   
2021.5.15 花坂隧道から鳴子川林道をを1.5キロほど進むと出合と呼ばれている車道橋がある。右手に大門支線につながる林道が分岐している。  2021.5.15 大門支線は林道となっている。
 
2021.5.8 右手に分岐する林道は大門支線につながる。花坂線は青矢印の方向に右手の林道に入り少し先で谷を渡り上の青矢印のように迂回後ものと地点に戻ってくる。 2021.5.15 橋を渡った左手に花坂線の軌道跡と見られる石組みがある。
 
2021.5.8 花坂線の軌道跡(写真の上の青い矢印) この先に橋梁があった。   2021.5.8 反対側から見た様子
   
2021.5.15 大門支線の林道側にあった橋台付近に残るレール  2021.5.15 林道を約500m進むと右手に大門支線の土場がある。
 
2021.5.15大門支線の土場  2021.5.15土場の下を流れる渓谷にレールが残っていた。   
   
2021.5.15 出合の車道橋に戻りと橋を渡った林道の右手に迂回してきた花坂線の軌道跡が残る。  2021.5.15 出合の車道橋から高野山方面へ1キロほど進むと右手に広場がある。下には鳴戸川が流れている。対岸の山中に20林班線の軌道跡があるらしい。(未踏破) 
   
2021.5.8 さらに林道を数百メートル進むと左手に細い道がある。  2021.5.8 道を登ると花坂線の軌道跡が見られる。
 
2021.5.8 軌道跡を進むと枕木が残るコンクリート橋が現れる。  2021.5.8 横から見たコンクリート橋
 
2021.5.8 鳴戸谷林道の門扉を入った左手にコンクリート橋がある。  2021.5.8 林道から見たコンクリート橋
 
2021.5.8 鳴戸谷林道をしばらく登ると広場がありレールが残っていた。この付近から軌道は谷を対岸に渡り、迂回して勾配を上げながら進む。 2021.5.8 河原のあちこちにレールが残る。
 
2021.5.8 対岸にもレールが残っていた。  2021.5.8 川の中にもレールがあった。
 
2021.5.8 元の林道を下ると対岸に補修工事が行われた法面の上部に石垣が見られる。軌道が高度上げているのがわかる。わずか往復約2キロの谷への迂回により50mは高度上げている。 2021.5.8 法面の鳴子谷川下流には崩れ落ちたと思われるレールが残されている。  
   
2021.5.8 風雨にさらされながらレールは耐えている。 2021.5.8 渓谷のあちこちにレールが見られる。 
 
2021.5.8 コンクリート橋の下まで戻り、元の鳴子川林道を高野山方面へ進む。  2021.5.15 しばらく進むと右手上部に軌道跡が残る。 
   
2021.5.15 林道に沿って軌道跡が残る。  2021.5.15 さらに先の林道の左カーブの右下に軌道跡がある。 
   
2021.5.15 両側に石垣が積まれた切り通しが見られる。  2021.5.15 この先湯川隧道に続く花坂線の軌道があるはずであるが見つけることができなかった。 
   
2021.5.15 右手の鳴戸川林道を登って来ると防災ヘリポートに出る。ヘリポート前の林道を花園方面へ進むと湯川峠があり、湯川隧道の入口があるようだ。(未踏破)林道を大門方面進み、最初の三差路を右折して国道480号を内子谷川に沿って下る。  2021.5.15 国道480号を下ると内子谷8号橋ある。この欄干のある位置が湯川隧道の出口である。
   
2021.5.15 湯川隧道をでた軌道は内子谷8号橋から青い矢印の方向に登って内子谷1号橋まで進む。(写真は高野山方面)
左手の細い道を進むと隧道がある。
2021.5.15 湯川隧道の出口が見える
 
2021.5.15 湯川隧道 橋の西側には旧車道があったようだが、新車道の改修で出口付近は盛り土で覆われている。途中で崩落していて危険である。全長500~600m 2021.5.15 ヘリポートから三差路を経て国道480号を下ると最初にあるのが内子谷1号橋でる。橋を渡って左に林道が分岐している。 
湯川隧道を出た軌道は青い矢印の方向に左手の林道を進む。
   
2021.5.22 国道480号から林道が分岐している。湯川隧道から国道480号に沿って登ってきた花坂線である。  2021.5.22 しばらく進むと広場がある。土場跡と思われる。このあたりが花坂線の終点だと思われる。この先高野山霊宝館の裏手まで物資を運ぶ作業軌道があったようだがバイパス工事により道筋はよくわからなかった。
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